キュワワーが、本当に強い。そう思ったのでキュワワー軸の極みとなるようなパーティを作ろうと考えました。
【パーティコンセプト】
キュワワーはフェアリーテラスタルすると、ヒーリングシフトで先制技となるドレインキッスの威力が120になります。これはいわゆるノーマルテラスしんそくと同じ威力。優先度は+3で、しんそくやこのゆびとまれ、キュワワーより遅いポケモンのねこだましなどほとんどの先制技よりも先に使うことができます。加えて与えたダメージの75%を回復する効果まで付いており、大ダメージを与えれば体力はほぼ全快に。
3月中旬に試してみたところ感触も良く、こんな強力なポケモン、知られていないだけで絶対に強いだろうと考え、3回目の予選に続き本戦でも使用することとしました。
予選で使用したパーティ
【ポケモンSV】最新レンタルパーティ一覧|シングル&ダブル【スカーレットバイオレット】 - ゲームウィズ
予選では得意としていたトルネロス軸に後発のスイーパーとしてキュワワーを使うようにしてみましたが、今回はよりキュワワーにフォーカスを当てたパーティにしようと考えました。
具体的には
-壁との組み合わせ(積みやすくなり、回復効果もより活きてくる)
-イーユイをパーティに入れることで、ドレインキッスの火力強化ができるようにする
-フラワーヒールが活きる高耐久なエースポケモンとの組み合わせ
といった要素を入れようと考えました。
大まかなプランとして、
-ヤミラミと高耐久エースポケモンで壁を張りながら応戦
→ヤミラミと入れ替えてキュワワー登場。エースを回復させたりドレインキッスで加勢
→最後はスカーフイーユイでフィニッシュ
というものを考えました。
エース枠には特性クリアボディで弱体化されにくく、ドラゴンアローで安定した削りが行えるドラパルトを採用。他にはキュワワーが苦手なサイコフィールドへ対抗できるゴリランダー、キュワワーやドラパルトが苦手な相手への有効打となる地面や威嚇を持つ霊獣ランドロスを採用し一旦パーティとなりました。
少し試した感じ悪くなかったのですが、前日になりドラパルトの課題に色々気付くことになります。耐久に振った上での壁込みでもテラスタルからの弱点攻撃は耐えるのが難しいこと、相手を倒す圧力が弱いのでモロバレルのような処理が遅れるとまずいポケモンがかなり苦しくなること、テラバーストを採用したくなるのでできればキュワワーにテラスタルを回したいコンセプトとの相性がいまいちであること、などです。
色々考えた結果、ドラパルトの代わりに同じく弱体化を受けにくい連撃ウーラオスを採用することとしました。持ち物は、ドラパルト同様弱点保険にすることも考えたのですが、きあいのタスキのほうが柔軟に戦えると考えタスキを選択し努力値もAS型に。結果として、壁エースと呼べるポケモン不在のパーティとなってしまいました。
【個別解説】
キュワワー
ひかえめ@命の珠 テラスタイプ:フェアリー 158-*-111-147-130-120 (252-*-4-252-0-0)
ドレインキッス、フラワーヒール、めいそう、まもる
このパーティの主役。サポートのイメージが強いポケモンですが、優先度+3のドレインキッスが非常に高性能で、フェアリーテラスタルすることで強力なアタッカーになります。
持ち物はドレインキッスの威力を伸ばすために命の珠を採用。ようせいのはねだとテラスタルドレインキッスの威力が伸びません。食べ残しとどちらにするかは悩みましたが、イーユイがいるなら火力を伸ばすべきだと考え命の珠に。回復効果で球ダメージのデメリットもある程度補えます。
ドレインキッス、めいそう、まもるは確定で、あと1つが選択。候補はフラワーヒール、ちょうはつ、かふんだんご。どの技が合うかはパーティ次第ですが、結果として壁を活かして高耐久エースを活躍させるパーティではなくなってしまったこのパーティではフラワーヒールの出番はそれほど多くなく、このパーティだとちょうはつが一番欲しかったと思いました。
相手のあらゆる行動から先手を取れるドレインキッスで何度もピンチを打開し、安定した詰めをすることができました。強力なポケモンだったと思います。
イーユイ
ひかえめ@こだわりスカーフ テラスタイプ:ゴースト 132-*-101-205-141-150 (12-*-4-252-4-236)
ねっぷう、オーバーヒート、バークアウト、サイコキネシス
キュワワーのドレインキッスの威力を引き上げたり、上からの範囲攻撃で相手をドレインキッス圏内に削る、キュワワーの攻撃が通りにくい鋼やモロバレルの弱点を突くなど、キュワワーの攻めの良きパートナー。
努力値はほぼ特攻素早さ全振り。素早さは準速ウーラオス抜きとし、余りを少しでも耐久に回しています。
持ち物はこだわりスカーフ。パーティ的に素早さ操作を入れる余裕がないので自力でできるだけ先手を取ってほしく、特にキュワワーにとっても脅威になりえる毒ランドロスから先手を取ってほしかったという事情がありました。
技は範囲攻撃のねっぷう、ハバタクカミをも焼くオーバーヒート、範囲攻撃であり弱体化技でもあるバークアウト、最後には連撃ウーラオスに奇襲できるサイコキネシスを持たせました。ただ炎オーガポンを強打するためのあくのはどうが欲しくなった場面もあったり、サイコキネシスがあってもウーラオスのテラスタルやとつげきチョッキを考えると安定しないことから、もう少し考える余地があったように思います。
テラスタルはねこだましやしんそく、格闘技を無効化できるゴーストとしました。
パーティ唯一の高速アタッカーであり、タイプ的にも特性的にも攻撃的キュワワーとの相性は良いものでした。
ゴリランダー
いじっぱり@とつげきチョッキ テラスタイプ:ほのお 203-194-111-*-94-106 (220-252-4-*-28-4)
ウッドハンマー、10まんばりき、グラススライダー、ねこだまし
キュワワーの場持ちを良くしてくれ、サイコフィールド対策もこなしてくれるポケモン。グラススライダーとドレインキッスの集中で倒せるポケモンも多いです。
努力値はまず攻撃特化、耐久面はできるだけ総合耐久が高くなるようHP=防御+特防に近くなるように配分しつつ、とつげきチョッキによる特殊耐久上昇幅を増すために特防を偶数にすべく少しだけ寄せました。
技は基本のウッドハンマー、グラススライダー、ねこだましに加え、草と攻撃面で相性補完の良い10まんばりきを採用しました。
テラスタイプは炎。草の弱点の多くを半減に反転してくれ、特にトリックルームパーティのコータス相手にはとつげきチョッキと合わせて重要な対抗手段になります。
ヤミラミ
わんぱく@ひかりのねんど テラスタイプ:はがね 157-*-121-*-103-70 (252-116-140-0)
さきおくり、アンコール、リフレクター、ひかりのかべ
ねこだましを受けない安定感の高い壁役。壁を張る、という仕事においてこのポケモンの右に出るポケモンはいないと思います(キュワワーはヤミラミの壁を止めれる数少ないポケモンです)。壁に強いウーラオスにはキュワワーが強い、という意味でも相性の良いポケモンと考えていました(実際にはウーラオスは先発で出がち、キュワワーは後発選出になりがちだったのでこの認識は少々甘かった)。
テラスタイプは一応の鋼。
努力値は、ひかりのかべ時187ハバタクカミのムーンフォース確定耐え、200一撃ウーラオスのくろいめがねあんこくきょうだ確定耐え。
技は2種の壁に加え、相手の下手な行動を許さないアンコール、行動順補佐の先送りを採用しました。
ひかりのかべはまず間違いなかったと思います。リフレクターについては、連撃ウーラオスを呼ぶので鬼火でもよかったかもしれません。ただガオガエン、パオジアン、ウガツホムラ、ドドゲザンなど鬼火が効かない物理ポケモンも多くいます。
さきおくりやアンコールはあると便利な技ではあるのですが、相手もこれらの技を警戒した動きをしており、これらの技が使えずヤミラミが置物になってしまう場面も多数見られました。パーティ的に自力で先手を取れるポケモンが多めなので、さきおくりは別の技で良かったのかなと考えています。候補としては、厄介なモロバレルなどを止めれるちょうはつ、苦手なリキキリンを自力で攻撃できるイカサマやはたきおとす、先手で攻撃できるふいうち、またドラパルトと組む時には弱点保険発動ができるかげうちを持ってもよかったのかもしれません。通常攻撃技の場合、素早さ個体値を下げてトリックルームパーティに先手を取りやすくできるといいのかもしれません。
そもそもパーティとして壁との相性がいまいちになってしまったので、ヤミラミを採用すべきだったのかは見直したいところでした。
霊獣ランドロス
ひかえめ@こだわりメガネ テラスタイプ:みず 195-*-111-172-101-112 (244-*-4-252-4-4)
ねっさのあらし、ヘドロばくだん、だいちのちから、くさむすび
キュワワーやイーユイ、ゴリランダーの攻撃が通りにくい炎、毒、鋼などのことを考えて、強力な地面打点が欲しいと考えました。また威嚇持ちもできれば欲しいと考えました。そこで候補になったのが特殊霊獣ランドロス。
威嚇でパーティの耐久を高めつつ、こだわりメガネを持つことでアタッカーとして十分な火力を持ちます。特殊型は相手に予想されにくく、威嚇やワイドブレイカーを入れて油断している相手に強烈なダメージを与えれる点も魅力的でした。範囲攻撃のねっさのあらしは強力で、特に霊獣ランドロスが使えばやけどの追加効果が発生することもあります。
努力値は特に調整はなくHCベース。
テラスタイプは水。パーティ的に連撃ウーラオスを呼ぶため、水技に耐性を持つテラスタルを採用しました。
技はねっさのあらしとだいちのちからは確定。サブウェポンとしてなんとなくヘドロばくだんとくさむすびを採用しました。
悪くはなかったのですがもっと良い地面枠もいたかもしれないという感触で、例えばアカツキガチグマを弱点保険で採用することなども考えていました。もう少し考察できるとよかったと思います。
連撃ウーラオス
いじっぱり@きあいのタスキ テラスタイプ:くさ 176-200-120-*-80-149 (4-252-0-*-0-252)
すいりゅうれんだ、インファイト、アクアジェット、みきり
キュワワーが苦手な鋼や炎に強いポケモンとして、ドラパルトに代わって採用。
持ち物はドラパルト同様弱点保険も考えたのですが、きあいのタスキのほうが汎用性がありそうだと考えきあいのタスキを採用。ただこれによってパーティの壁との相性はかなりいまいちになってしまいました。
テラスタイプは草。苦手なモロバレルを無視できるように、という考えでした。
アクアジェットとドレインキッスを重ねてパオジアンを倒す動きが強い、などのドラパルトにはない良さも見られました。タスキが役に立つこともありましたが、パーティ単位で戦うという意味では耐久を伸ばして弱点保険を持たせる型も試してみたいところでした。
ドラパルトがいなくなったことでオーガポンや連撃ウーラオスが苦しくなってしまったり、結局モロバレルは重いままだったりするので、ウーラオスにするならこのあたりまできちんと考えて他のポケモンの技などを調整できるとよかったのかなと考えています。
【振り返り】
欲張りセットになってしまった、というのが正直な感想。壁でじっくり戦いたいのか、1回めいそうを積んだらイーユイと一気に攻めていくのか、このコンセプトは分離できるもので、混ぜることは必ずしもマストではなかったと思いました。
最初のドラパルト型の時はコンセプトが綺麗にまとまっていたので、ある程度割り切ってその方向で仕上げていくのも一つの手だったかもしれません。
アタッカー型キュワワーはまだあまり知られていなかったと思われるため、練習で情報を流すことにかなり躊躇いがありました。それによる練習不足がパーティを仕上がらないものにしてしまったと思います。こうならないよう、なるべく情報を出したくないパーティでも上手に調整する方法は考える必要がありそうです。
【終わりに】
納得の行くパーティに仕上がらず、自信のない中の参加で案の定結果至らずで、かなり悔いの残る結果となってしまいました。
パーティはもう1つ候補があり、こちらだったらもっと戦えたのでは...という悔いもあります。
どんなに準備をしても勝てるとは限らないのがポケモン対戦ですが、パーティはきちんと仕上げていきたいですね。パーティを組むスケジュールなどをもっと考えておくべきでした。
ハワイの飛行機と宿は既に取ってしまったのですが、キャンセルするかspectatorとして行くかどうするかはちょっと悩んでいます。
来年は直前に好きなゲームが発売しないことを願いつつ、それまでに自分がやりたいこと・やるべきことを済ませつつ楽しくポケモンを遊びつつ来年の大会シーズンに備えたいと思います。